
たぶ先生(いわおひろあき)
療育・発達支援の実践者で、在野の社会学研究者。発達特性のある子どもたちとのマンツーマン療育・教育に2010年から携わり、2026年からオンライン家庭教師・療育相談「いっかく」を開いています。
経歴
- 早稲田大学を卒業後、会社員として就職。リーマンショックでリストラされる
- 正社員でもリストラされる世の中なんだから、やりたいことをやろうと決意。コミュニケーションについて学びたいと思い、東北大学大学院の文学研究科へ。社会学研究室で理論社会学と地域社会学を専攻。博士後期課程まで進む(博士論文は未提出)
- 2010年秋、家庭教師のアルバイト先で、発達障害の(傾向のつよい)子どものための新規事業の初期メンバーに加わる。仙台で発達障害専門の家庭教師として働き始める
- その後、東京都港区や品川区、戸田市、さいたま市、横浜市、藤沢市、川崎市の児童発達支援・放課後等デイサービスの事業所で、児童指導員/保育士、児童発達支援管理責任者(児発管)、管理者として子どもたちや保護者様と関わる。新規事業の立ち上げや、複数施設の管理者をサポートするマネジメント職も経験
- 2026年、オンライン家庭教師・療育相談「いっかく」を開業
資格
- 保育士
- 中学校・高等学校教員専修免許(社会・公民)
- 文学修士(専攻は社会学)
- 社会福祉士
- 児童発達支援管理責任者
- 産業カウンセラー
いま続けている研究
- 発達障害のインタビュー研究:当事者・支援者・家族への聞き取りから、発達障害のある人やその傾向が強い人と、お互いに分かりやすく、居心地よく過ごすためのコミュニケーションや環境づくりについて考えています
現場で働きながら勉強や研究を続けているのはなぜですか? と、ときどき聞かれます。それはきっと、現場での経験だけに頼らないようにするためです。カッコつけずに、ちゃんとはっきり言いますと、勉強していないと怖いからです。すくえたはずの一言を逃していないか、もっといい支援の方法があるんじゃないか。
勉強して、実践して、また勉強する。このサイクルをくり返しながら、子どもたちや保護者様と向きあっています。
社会学の在野研究グループ「在野研究者Tapiの社会学」のメンバーです。
メッセージ
これまでのこと
私は2010年からこれまでずっと、発達に特性のある子どもたちとのマンツーマン教育/療育に携わってきました。仙台で発達障害専門の家庭教師として働きはじめたのが、この仕事への入口でした。その後、もっと、こういう子どもたちとかかわりたいと思い、児童発達支援/放課後等デイサービスの現場で働くようになりました。
ゼロから新規事業を立ち上げたり、複数の施設長をサポートするマネジメントの仕事も経験してきました。
そして、2025年から1年近くかけて、noteで開業準備を続けてきました。療育に携わる方々へのインタビュー。自分の療育観を言葉にするエッセイ。書きながら、「自分は何のために、誰と、どんなふうに関わりたいのか」を確かめてきました。
個人的に数組のご家庭とのオンラインでのやり取りも続けてきました。海外で暮らすお母さま、普通校を受験すると決めた中学3年生、小論文を書く大学受験生……。
小さな営みですが、こうした時間が私にはとてもたいせつで、大好きな時間でした。これからもずっと、こうした時間を持ちたい、こうしたかたちでお役に立てるならと思い、このたび、この活動に「いっかく」という名前をつけて、受付をひらくことにしました。
「いっかく」という名前について
「一角」という言葉があります。「いっかく」と読みますが、「ひとかど」という読み方もあります。「いっかく」のほうは「町の一角」とか「氷山の一角」というふうに使われます。
世の中ぜんぶ、行くところぜんぶを明るくすることはできないけど、自分の居るところを少しだけ、ちょっとだけ明るくすることはきっとできるんじゃないかと信じています。それぞれの、自分の色で。
ぼくはどんな子にも、この社会のいっかくで、安心して、のびのびと、ほんわかしたり、光ったり、楽しめるようになってほしいと願っています。持ち味を発揮して、その子の一角と呼べる場所を築いていってほしい。
もちろんそれは子ども達だけじゃなくて、おとなもいっしょです。保護者、当事者、支援者、関係者……みんなそれぞれ歩み寄って、深く静かに呼吸できる一角を作っていきたい。そんな願いを「いっかく」という名前に込めました。
これからのこと
この活動は〈はんぶん〉くらいのチカラで進めていこうと思っています。〈はんぶん〉くらいがきっと、ちょうどいい。「全集中」とか「限界突破」したい人もいるとは思うんですけど、ぜんぶを全力で頑張っちゃうと、いろいろとたいへんです。とくにぼくにはそこまでの体力がきっと、ありません。
やるべきことの〈はんぶん〉だけ、〈はんぶん〉くらいのチカラで頑張ってみる。この緩やかでチカラを抜いたカンジが、たぶん、お互いの接点をやわらかくしてくれます。
お子さんの成長に正解はありません。その子のペースで、一緒に見守っていきましょう。
たぶ先生(いわおひろあき)
論文・執筆・掲載
- 論文「ハーバーマスの「体系的に歪められたコミュニケーション」に関する研究」『社会学年報』46号、2017年(Google Scholar)
- 分担執筆「遠隔支援の現場から――少し離れて見えたもの」『発達障がい児支援がワンランクアップする315の工夫』合同出版、2022年
- エッセイ「翻訳家は水場を用意して待つ」(発達支援交流サイト はつけんラボ)
- 東北大学 文学部・文学研究科 社会学研究室(大学院生のころの紹介ページ)
- 在野研究者Tapiの社会学(メンバー)
もっと知る
- 発達障害の用語集(東北大学院卒の発達障害学習ノート):ワーキングメモリ・ABA・WISC・原始反射など、療育でよく出てくる言葉の解説
- note(たぶ先生):療育に携わる方々へのインタビューやエッセイ
- 在野研究者インタビュー第1回「勉強していないと、怖いんです」(在野研究者Tapiの社会学)
- 在野研究者として、働きながら子育てしながら研究を続ける(無名人インタビュー)
