安全と衛生、組織運営:親が確かめられること
ガイドライン解説(親御さん向け)

第6章 提供体制(組織運営管理/衛生管理・安全管理対策等) ・ たぶ先生(いわおひろあき) ・ 2026.10.13

ガイドラインに書いてあること

児童発達支援と放デイのガイドラインは、第6章で、事業所が整えておくべき安全・衛生などの体制を定めています。ここでは、保護者にかかわる部分を整理します。

衛生管理・健康管理

  • 感染症と食中毒の予防・まん延防止のため、対策を検討する委員会を定期的に開くこと、指針を整えること、研修と訓練を定期的に行うことが必要です。
  • こどもの健康状態の把握と、感染症の早期発見のために、来所時の健康チェックと、保護者との情報共有の体制をつくっておく必要があります。
  • 感染症が起きても事業を続けられるよう、事業継続計画(BCP。災害や感染症のときも支援を続けるための備え)を作り、職員の研修と訓練(シミュレーション)を行う必要があります。
  • アレルギー対策として、除去食や制限食で対応できる体制を整えること、飲食を伴う活動のときには事前に内容を周知することなどが必要です。

非常災害への備え

  • 消火設備などの必要な設備、非常災害への具体的な計画の作成と周知、定期的な避難訓練(地震・火事・風水害など、災害の内容ごとの訓練が重要)、BCPの策定が必要です。
  • 障害のあるこどもについては、個別避難計画の作成が市町村の努力義務とされています。作るときは、保護者のほか、相談支援事業所や主治医の参加が想定されます。事業所は、災害発生時の対応について相談支援事業所などと綿密に意思疎通を図っておくことが重要、と書かれています。

緊急時の対応

  • 事故やケガ、健康状態の急変があったときの、保護者・協力医療機関・主治医への連絡と、緊急時の対応マニュアルの作成・訓練が必要です。
  • 職員は、応急処置について日頃から研修や訓練に参加し、救急対応(心肺蘇生法、気道内異物除去、AED、エピペン等の使用)の知識と技術を身につけることが必要、とされています。
  • 医療的ケアが必要なこどもについて、生命にかかわる事態が起きたときの対応を学び、実践できるようにしておくことも必要です。

安全管理・送迎・事故への対応

  • 安全計画(日ごろの安全対策の計画)を作って周知すること、研修や訓練を定期的に行うこと、安全点検を行うこと、安全管理マニュアル(危ない場面で職員がどう動くかの手順)を作ることが必要です。送迎、睡眠中、プール活動・水遊び中、食事・おやつ中など、場面ごとの具体的な注意喚起が必要とされています。
  • 事故が起きたときは、速やかに都道府県、市町村、家族などに連絡し、必要な措置を取ることが求められています。家族への連絡に加え、自治体が決めた方法で報告することになっています。事故の事例やヒヤリ・ハット(事故になりかけた出来事)の検証、原因の共有、再発防止の取り組みも必要です。
  • 送迎や事業所外の活動で自動車を使うときは、こどもが乗り降りするときの点呼と、ブザーなどの安全装置の装備が必要です。
  • 医療的ケアが必要なこどもについては、人工呼吸器や痰の吸引機などの電源の確保、バッテリー切れの防止に常に気をつけること、こども同士の接触によるチューブの抜去などの事故を防ぐことも書かれています。

組織運営:支援プログラム

事業所は、5領域(健康・生活/運動・感覚/認知・行動/言語・コミュニケーション/人間関係・社会性)との関連をはっきりさせた「支援プログラム」(事業所の支援の実施に関する計画)を作る必要があります。

支援プログラムは、職員に理解を促すとともに、利用者や保護者に向けて、重要事項説明書や個別支援計画などを説明するときに併せて丁寧に説明し、ホームページや会報などで公表していくことが求められています。公表は、令和6年度中は努力義務でした。令和7年(2025年)4月からは、公表して、事業所の指定をしている自治体(都道府県や市など)に届け出ていないと、事業所の報酬が減らされる(未公表減算)しくみになっています(これは概要資料とは別の、報酬のルールです)。内容を変えたときは、速やかに公表することが望ましい、とも書かれています。

自己評価と保護者評価の公表については、「支援の質の向上と権利擁護」のページで説明しています。

親御さんのよくある質問

Q. 子どもが具合が悪くなったとき、どう連絡が来ますか?

ガイドラインは、事故やケガ、健康状態の急変のときに、保護者、協力医療機関、主治医へ連絡することと、そのための対応マニュアルの作成・訓練を事業所に求めています。連絡の方法や順番は事業所ごとに決まっているので、事前に聞いておくと安心です。

Q. 感染症がはやったときの対応は?

対策を検討する委員会、指針、研修・訓練に加え、来所時の健康チェックと保護者との情報共有の体制をつくることが求められています。感染症が出ても事業を続けるための計画(BCP)も必要とされています。

Q. アレルギーがあります。

除去食や制限食で対応できる体制を整えること、飲食を伴う活動のときに、事前に提供する内容を周知することが、ガイドラインに書かれています。エピペンの使い方を含む救急対応の知識と技術を身につけることも、職員に求められています。

Q. 送迎は安全ですか?

送迎や事業所外の活動で車を使う場合は、乗り降りのときの点呼と、ブザーなどの安全装置の装備が必要と書かれています。送迎の場面についての具体的な注意喚起も必要とされています。

Q. 事故があったら、教えてもらえますか?

ガイドラインでは、事故が起きたとき、速やかに都道府県、市町村、家族などに連絡することが求められています。ヒヤリ・ハットの検証や、原因の共有、再発防止の取り組みも必要とされています。

Q. 地震や台風のときはどうなりますか?

非常災害に備えた具体的な計画、定期的な避難訓練、事業継続計画(BCP)が必要とされています。個別避難計画については、保護者や相談支援事業所、主治医が加わって作ることが想定されています。

事業所を見るときのチェックポイント

  • 緊急時(ケガ・急病)の連絡の流れと、協力医療機関を聞く。マニュアルを見せてもらえるかも聞く。
  • 災害を想定した避難訓練を、どのくらいの頻度で行っているか、災害の種類ごとに行っているかを聞く。
  • 感染症が出たときの保護者への連絡のしかたと、来所時の健康チェックのやり方を聞く。
  • アレルギーがある場合の対応(除去食、活動の事前周知)と、エピペンなど救急対応の研修を受けているかを聞く。
  • 送迎の車に乗り降りするときの点呼や、安全装置の有無を聞く。送迎の車内に職員が複数いるかも気になれば聞く。
  • 事故やヒヤリ・ハットを記録して、再発防止に生かしているか、保護者にどう伝えているかを聞く。
  • 「支援プログラム」を見せてもらえるか、ホームページなどで公表しているか確かめる。

関係する用語

児童発達支援/放課後等デイサービス

参考資料

  • こども家庭庁「児童発達支援ガイドライン」「放課後等デイサービスガイドライン」(2024年7月改定)と、その概要資料(2024年11月) こども家庭庁 障害児支援施策

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