ガイドラインに書いてあること
ガイドラインは、こどもの発達支援は「こども本人が支援の輪の中心」となり、さまざまな関係者や関係機関がかかわって行われるものだと書いています。関係者が連携を密にして、適切に情報を共有することで、こどもへの理解を深める、という考え方です。
事業所には、日頃から関係機関との連携を図ることが求められています。目的は、支援が必要なこどもがスムーズにサービスにつながること、そして、支援が学校や保育所などにきちんと引き継がれ、連携して行われることです。
また、セルフプラン(相談支援専門員ではなく、保護者などが自分で作るサービス利用計画)で複数の事業所を使っているこどもの場合は、使っているすべての事業所の間で、こどもの状態や支援の状況を共有することが特に重要、とされています。
連携先ごとの内容
- 医療機関:事故やケガ、健康状態の急変に備えて、近くに協力してくれる医療機関を定めておきます。薬を飲んでいるこどもなどの場合は、保護者と連携しながら主治医と情報を共有します。医療的ケアが必要なこどもを支援する場合は、医療的ケア児支援センターや医療的ケア児等コーディネーターなどとの連携が必要です。
- 市町村:支援が必要なこどもと家族を地域全体で支えるため、地域のニーズや資源を把握して体制を整える市町村との連携が必要です。
- こども家庭センター・児童相談所:こども家庭センターによる支援が必要な場合、すでに支援が行われている場合、きょうだいがヤングケアラー(家族の世話などを担っているこども)と疑われる場合は、こども家庭センターとの連携が重要です。虐待が疑われる場合は、速やかに事業所内で情報を共有し、児童相談所などと連携して対応します。
- ほかの事業所・児童発達支援センターなど:こどもの状態像や必要な支援の見立てについて共通の認識を持ち、支援内容を互いに理解することが重要です。児童発達支援センターは、地域の連携・ネットワークの核として、地域の事業所への助言(スーパーバイズ・コンサルテーション)や、研修・事例検討会の開催などを行う役割があります。
- 児童発達支援と放デイの間:児童発達支援のガイドラインには、放デイを使い始めるとき、こどもの発達の状況、障害の特性、支援内容の情報共有・相互理解などの連携が必要で、使い始めたあとも連携を続けることが望ましい、と書かれています。
- 自立支援協議会:自立支援協議会のこども部会などへの積極的な参加。自治会への参加、地域のボランティア組織との連絡、地域の人との交流なども、地域とのかかわりを持つ機会として大切とされています。
- 保育所・幼稚園など(児童発達支援):移行のときの情報共有や移ったあとのフォローアップ、併行利用のときの支援内容の共有やバックアップ、同年代の障害のないこどもと活動する機会の確保。
- 学校(児童発達支援):進学のとき、こどもの発達の状況、障害の特性、支援内容の情報共有と相互理解。
- 学校など(放デイ):学校から個別の教育支援計画をはじめとした支援内容の情報提供を受けるなど、学校と支援内容の情報をやり取りして連携します。
- 放課後児童クラブ・児童館など(放デイ):移行するときは、保護者の同意を得て、放課後等デイサービス計画なども含めて情報を共有し、移行後のフォローアップを行います。併行利用の場合は、支援内容を共有し、支援のバックアップをします。
- ライフステージに応じた関係機関(放デイ):就学前に使っていた事業所、就職先、別の障害福祉サービスの事業所などとは、支援の連続性を図るため、保護者の同意を得たうえで情報共有を行います。
親御さんのよくある質問
Q. 学校や保育所と、勝手に情報を共有されませんか?
放課後等デイサービスのガイドラインの概要資料で、保護者の同意がはっきり書かれているのは、次の場面です。学校などから個別の教育支援計画をはじめとした支援内容の情報提供を受けるとき、放課後児童クラブなどへ移るときの情報共有、就学前に使っていた事業所や就職先などと情報共有をするときです。学校とどんな情報を、どう共有するかは、事業所に確認しましょう。
Q. 複数の事業所を使っています。どうなりますか?
ガイドラインは、複数の事業所を使うこどもについて、事業所間でこどもの状態や支援の状況を共有することが重要だと書いています。とくにセルフプランの場合は、使うすべての事業所の間で共有することが重要とされています。
Q. 病院に通っています。事業所に伝えたほうがいいですか?
ガイドラインは、薬を飲んでいるこどもなどの場合、保護者と連携しながら、主治医と情報共有をする必要があると書いています。事故やケガ、急に具合が悪くなったときに備えて、近くの協力医療機関を定めておくことも事業所に求められています。
Q. 児童発達支援から放デイに移るとき、引き継ぎはされますか?
児童発達支援のガイドラインに、放デイを使い始めるときの発達状況、特性、支援内容の情報共有・相互理解などの連携が必要、と書かれています。放デイのガイドラインにも、就学前に使っていた事業所などと、保護者の同意を得て情報共有を行うことが書かれています。
Q. 家庭の状況によっては、児童相談所などに連絡されることはありますか?
ガイドラインでは、虐待が疑われる場合に、速やかに事業所内で情報を共有し、児童相談所等と連携して対応する、と書かれています。そのほか、こども家庭センターの支援が必要な場合などは、こども家庭センターとの連携が重要とされています。
事業所を見るときのチェックポイント
- 通っている学校や保育所と、どんな頻度・方法で情報をやり取りしているかを聞く。
- 情報を共有するときは、先に親の同意を取るのか、その手順を聞く。
- 相談支援事業所と、どんなときにどう連絡を取り合っているかを聞く。
- 協力してくれる医療機関を決めているか、薬を飲んでいるこどもの場合の主治医との情報共有をどうしているか聞く。
- ほかの事業所と併用するとき、事業所どうしで状態を共有する方法があるか聞く。
- 前の事業所や次の事業所への引き継ぎで、何を渡しているか具体例を聞く。
関係する用語
児童発達支援/放課後等デイサービス/児童発達支援管理責任者(児発管)/受給者証(通所受給者証)
参考資料
- こども家庭庁「児童発達支援ガイドライン」「放課後等デイサービスガイドライン」(2024年7月改定)と、その概要資料(2024年11月) こども家庭庁 障害児支援施策
