ガイドラインに書いてあること
はじめに、似た名前の計画と会議が2つずつ出てくるので、整理します。
- 計画:相談支援専門員が作る「障害児支援利用計画」(どのサービスをどう使うかの計画)と、事業所の児発管が作る「個別支援計画」(事業所での支援の計画)
- 会議:相談支援専門員が開く「担当者会議」と、事業所が開く「個別支援会議」
事業所が作る個別の計画を、児童発達支援では「児童発達支援計画」、放課後等デイサービスでは「放課後等デイサービス計画」と呼びます(まとめて「個別支援計画」と言います)。ガイドラインでは、この計画ができるまでの流れが図で示されています。
計画ができるまでの流れ
- 相談支援専門員が、こどもと家族から、面談などで聞き取ります。心身の状況、置かれている環境、日常生活の様子、いま受けている支援、利用の意向を確かめ、そこからニーズ(必要としていること)を明らかにして、総合的な援助方針を提案します。この聞き取りと分析のことをアセスメントと言います。
- 相談支援専門員は、こどもや家族の意向と援助方針をもとに、使うサービスを選んだり組み合わせたりして、目的・内容・量を検討し、こども又は保護者の同意のもとで障害児支援利用計画案を作ります。
- 利用計画案を市町村に出し、市町村がその案を参考にして、事業所の利用についての支給決定をします。
- 相談支援専門員が、サービスを提供する事業所を集めて担当者会議を開きます。こどもや家族、事業所の児童発達支援管理責任者(児発管)や職員、ほかの支援の担当者などが集まります。
- 担当者会議を踏まえ、こども又は保護者の同意のもとで障害児支援利用計画を確定し、保護者、市町村、事業所などに渡します。
- 事業所の児発管が、こどもや家族との面談などで、5領域(健康・生活/運動・感覚/認知・行動/言語・コミュニケーション/人間関係・社会性)の視点を踏まえたアセスメントを行います。
- 児発管が、障害児支援利用計画とアセスメントを踏まえて、事業所の計画(児童発達支援計画または放課後等デイサービス計画)を作ります。将来の見通しを持ち、特性や発達段階を丁寧に把握し、「こどもや保護者の意思の尊重」と「こどもの最善の利益を第一に考えること」を踏まえて作る、とされています。
- 個別支援会議を開きます。支援に関わる職員の意見を必ず聴く機会を設けます。さらに、こどもの年齢や発達の程度に応じて、こども本人や保護者の意見を聴くことが求められています。例として、会議にこどもと保護者が参加すること、開催前にこども本人や保護者に直接会って意見を聴くことがあげられています。
- 事業所は、計画の内容を保護者とこどもに説明し、文書で保護者の同意を得て、計画を保護者に交付します(くわしくは下の「同意」のQを見てください)。
- 計画にもとづいて支援が始まります。
計画に書かれること
ガイドラインでは、計画には次の項目を書くとされています。
- 利用するこどもと家族の、生活に対する意向
- 総合的な支援の方針
- 長期目標と短期目標
- 支援の標準的な提供時間など
- 支援目標と具体的な支援内容(本人支援・家族支援・移行支援・地域支援・地域連携の項目ごとに、支援目標、支援内容(5領域との関連を含む)、達成時期、担当者・提供機関、留意事項)
これらは、こどもと家族の意向とアセスメントを踏まえて「つながりを持って」作ります。つまり、「生活に対する意向」から「総合的な支援の方針」を決め、そこから長期・短期の目標、さらに具体的な支援内容へ、という順番です。
見直し(モニタリング)
モニタリングとは、計画どおり支援が進んでいるか、効果が出ているかを確かめて、必要なら見直すことです。
- 事業所の個別支援計画は、おおむね6か月に1回以上モニタリングを行います。こどもの状態や家庭の状況に変化があったときは、6か月を待たずに行う必要があります。
- 見直しが必要と判断されたら、計画を積極的に見直します。
- 計画は、障害児相談支援事業所にも交付する必要があります。モニタリングのときも、相談支援事業所と情報を共有します。
- 相談支援専門員の障害児支援利用計画の側は、市町村が決めた期間ごと(受給者証などに書かれます)にモニタリングを行い、いまの支援がニーズに合っていない、ニーズが変わった、新しいニーズが見つかった、というときは、必要に応じて担当者会議を開いて見直します。
親御さんのよくある質問
Q. 計画は事業所が一方的に決めるものですか?
ガイドラインでは、そうなっていません。こどもと家族の意向とアセスメントを出発点にして作ること、個別支援会議でこども本人や保護者の意見を聴くことが求められています。
Q. 計画にある「長期目標」「短期目標」は、親が決めていいのですか?
計画の一番上にあるのが「利用児と家族の生活に対する意向」です。ここから総合的な支援の方針、長期目標、短期目標とつながるように作る、と書かれています。家庭でどんな暮らしを望んでいるのかを伝えることが、計画の出発点になります。あわせて、こども本人の気持ちや意向も聞き、一緒に目標を立てることが大切とされています(2024年版のガイドラインは、こどもの意見を尊重する考え方に立っています)。
Q. 計画に「同意」するとは、どういうことですか?
概要資料には詳しい説明はありませんが、事業所の運営の基準(指定基準)では、事業所は個別支援計画(児童発達支援計画/放課後等デイサービス計画)の内容を保護者とこどもに説明し、文書で保護者の同意を得て、計画を保護者に交付することになっています。また、障害児支援利用計画(案)を作るとき、確定するときも、こども又は保護者の同意のもとで行います。これとは別に、身体拘束を行う可能性がある場合は、事前に十分に説明をして了解を得たうえで、そのことを計画に書くことが求められています(くわしくは「支援の質の向上と権利擁護」のページ)。
Q. 途中で内容を変えてほしいときは?
モニタリングは、おおむね6か月に1回以上です。ただし、こどもの状態や家庭の状況に変化があったときは、6か月を待たずに行う必要があるとされています。変化があったら、早めに事業所に伝えてください。
Q. 計画のコピーはもらえますか?
もらえます(交付されます)。手元に届いていなければ事業所に伝えてください。事業所の計画は、障害児相談支援事業所にも交付されます。
事業所を見るときのチェックポイント
- 計画を作る前に、親やこども本人の話を聞く面談があるか聞く。
- 個別支援会議に、親やこどもが参加できるか、参加できない場合は事前に意見を聞いてもらえるかを聞く。
- 計画の中に、家庭での暮らしの意向や、親の願いがどう反映されているかを、実際の計画書で見せてもらう。
- 支援目標が「何ができるようになるか」だけでなく、具体的な支援内容・達成時期・担当者まで書かれているかを見る。
- 見直し(モニタリング)の頻度と、変化があったときに早めに見直してもらえるかを聞く。
- 相談支援事業所(相談支援専門員)と、計画や状況を共有しているか聞く。
関係する用語
個別支援計画/児童発達支援管理責任者(児発管)/受給者証(通所受給者証)
参考資料
- こども家庭庁「児童発達支援ガイドライン」「放課後等デイサービスガイドライン」(2024年7月改定)と、その概要資料(2024年11月) こども家庭庁 障害児支援施策
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