放デイの年代別の見方:低学年から思春期まで
ガイドライン解説(親御さん向け)

第3章 放課後等デイサービスの提供すべき支援の具体的内容 ・ たぶ先生(いわおひろあき) ・ 2026.10.13

ガイドラインに書いてあること

放課後等デイサービス(放デイ)のガイドラインは、支援のときに気をつけることを、目安として4つの年代に分けて示しています。

ここで大切な一文があります。この区分は「同年齢のこどもの均一的な発達の基準ではない」。個人差や障害の特性で発達の道のりはさまざまなので、あくまで一人ひとりの発達を理解するための目安として見るもの、と書かれています。「この年齢ならこうあるべき」という物差しではありません。

おおむね6歳〜8歳(小学校低学年)

  • 学校生活で、読み書きや計算の基本を身につけます。係や当番などの役割を担う中で、自分の成長に気づいていきます。一方で、まだ解決できない課題にぶつかったり、人と比べて葛藤したりもします。
  • 遊びの楽しさで集まった集団から、仲間関係や友達関係に発展することがあります。ただ、遊びに入るかどうかがその日の気分に大きく左右されるなど、幼い時期の特徴も残っています。
  • ものや人への興味が広がり、好奇心が先に立って動くことが多くなります。
  • 大人に見守られることで、努力して課題をやりとげ、自信を深めていけます。後の時期に比べ、大人の評価に依存する時期とされています。
  • 筋道を立てた考え方や、抽象的な言葉を使った考え方が始まります。行動の結果だけでなく、動機も考えるようになり、お金の役割など社会の仕組みも分かり始めます。

おおむね9歳〜10歳(小学校中学年)

  • 遊びに必要な体の動かし方が、より上手になります。
  • 同じ年ごろの集団や仲間を好み、大人に頼らず活動しようとします。まわりの視線や評価に、より敏感になります。
  • 言葉や思考、人格など、発達のいろいろな面で質的な変化が起こる「9、10歳の節」と呼ばれる大きな変化の時期です。その人ならではの内面の葛藤が生まれます。この時期に、自分にはいろいろな可能性があると確信できることは、発達の上で大切です。

おおむね11歳〜12歳(小学校高学年)

  • 学校の内外で知識が広がり、得意なこと・苦手なことを知るようになります。
  • 日常生活に必要な概念を理解し、ある程度、計画性のある生活ができるようになります。
  • 大人からさらに自立的になります。少人数の仲間で「秘密の世界」を共有し、個人的な関係を大切にします。
  • 体に第二次性徴(思春期の体の変化)が見られ、思春期・青年期の特徴が芽生えます。ただし、性的な発達には個人差が大きく、体の成長に心の発達が追いつかない場合もあります。
  • 一人ひとりの発達段階や興味・関心に応じて、心や体の発育について正しく理解できるよう、性について学ぶ機会を多くつくることが重要、とされています。

おおむね13歳以降(思春期)

  • 思春期は、こどもから大人へ心も体も変わっていく大切な時期です。体や気持ちの変化に戸惑います。
  • その戸惑いや自立を目指す動きが、反抗的・攻撃的な態度として表れることも多いとされています。周囲の対応によっては、気持ちが不安定になる場合もあるとされています。
  • 同じ立場の仲間と共感し合い、心を通じ合わせることで、危機を乗り越えられることもあります。一方で、同じ年ごろの仲間との間で受けたストレスやショックが「劣等感」として残ってしまうこともあります。
  • 思春期より前に育った「自分にはできる」という感覚(自己有能感)を土台に、大人だけでなく仲間との関係も大切にしながら、進学や就労など次のステージに向かう力が生まれるようサポートする、とされています。
  • この年代でも、性について学ぶ機会を多くつくることが重要とされています。

学齢期全体で書かれていること

  • 学齢期には、二次障害(本人の特性に合わない環境などの中で、あとから生じる不調)やメンタルヘルスの課題を抱えることもあります。それを乗り越えるには、自尊感情や自己効力感(自分には力がある、という実感)を育むことが大切、とされています。
  • 思春期のこどもや、不登校の状態にあるこどもにも、必要な配慮をします。
  • 本人支援では、4つの基本活動(日常生活の充実と自立支援、多様な遊びや体験活動、地域交流、こどもが主体的に参画できる活動)を組み合わせます。その際、こどもの意見を聴き、自己選択や自己決定を促すことが求められています。

親御さんのよくある質問

Q. うちの子は、書いてある年齢の姿とだいぶ違います。遅れているのでしょうか?

ガイドラインは、この区分は均一的な発達の基準ではなく、個人差や特性で発達の道のりはさまざまだと、はっきり書いています。当てはめて合否を見るものではありません。

Q. 9〜10歳ごろに、急に不安定になりました。

ガイドラインには、この年代に「9、10歳の節」と呼ばれる大きな変化があり、特有の内面の葛藤が生まれる、と書かれています。同じ年ごろの仲間を好み、まわりの目に敏感になる時期でもあります。気づいたことは、事業所や学校に具体的に伝えてみてください。

Q. 思春期に入って、反抗的になりました。事業所では何を見ているのですか?

ガイドラインでは、反抗的・攻撃的な態度は、戸惑いと自立への動きの表れであることが多いとされています。同時に、周囲の対応によっては、気持ちが不安定になる場合もあるとされています。事業所の対応と家庭での対応をそろえる意味でも、相談する価値のある時期です。

Q. 性に関することは、放デイで扱うのですか?

ガイドラインには、11歳〜12歳の時期と13歳以降の時期のそれぞれに、性について学ぶ機会を多くつくることが重要と書かれています。どんな方法でどこまで扱うかは書かれていないので、事業所の考え方を聞いてください。

Q. 不登校ぎみでも、放デイを使えますか?

ガイドラインは、不登校の状態にあるこどもに対しても必要な配慮を行うことを求めています。

事業所を見るときのチェックポイント

  • 「うちの子の年齢で、とくに気をつけていることは何ですか?」と聞く(年齢を機械的に当てはめず、その子の様子で答えてくれるか)。
  • 活動をこどもが自分で選べる場面があるか、こどもの意見を聞く場面があるかを見る。
  • 高学年・中学生以降の子が、年下の子と同じ扱いになっていないかを見る。
  • 思春期の変化(反抗的な態度、気持ちの揺れ、体の変化)について、どう考えているか聞く。
  • 進学や就労など、次のステージを見すえた支援について話してもらえるか聞く。
  • 性について学ぶ機会をどう考えているか聞く。

たぶ先生のメモ

放デイの現場では、こどもが放デイから離れていく時期が何度か来る、と感じています。就学のとき。その次が小学3、4年生ごろで、塾に行く子と行かない子、部活に行く子と行かない子に分かれていきます。中学生になると帰りが遅くなり、放デイに来ても滞在できる時間が短くなります。「学年が上がるにつれて、放デイからどんどん子ども達が離れていく」というのが、療育の側から見えている景色です。(インタビューの中での、たぶ先生の発言をもとにしています。ガイドラインに書かれていることではなく、現場の実感です。)

出典:たぶ先生のインタビュー記事(note)

関係する用語

放課後等デイサービス/二次障害/自己肯定感/特別支援学級

参考資料

  • こども家庭庁「児童発達支援ガイドライン」「放課後等デイサービスガイドライン」(2024年7月改定)と、その概要資料(2024年11月) こども家庭庁 障害児支援施策

← 地域支援・インクルージョン:地域とつながる意味 | ガイドライン解説の一覧 | 個別支援計画の作り方と、親の読み方 →

お子さんの学び方や関わり方で迷ったら、ご相談・ご利用は公式LINEからどうぞ。
オンライン家庭教師・療育相談「いっかく」のご案内や、療育の情報をお届けします。

公式LINEを友だち追加する