はじめに
就学前の相談で、「特別支援学級も考えてみませんか」と言われて、戸惑った方もいるかもしれません。
特別支援学級は、子どもの状況に合わせて、少人数で学べる学級です。このノートでは、特別支援学級とは何か、対象、ほかの学びの場とのちがい、選ぶときの考え方を整理します。
1. 特別支援学級とは何か
特別支援学級は、学校教育法にもとづき、小学校、中学校などに置かれる、障害のある子どものための学級です。同じ学校の中にあり、少ない人数で、一人ひとりに合わせた学びを進めます。1学級の児童生徒数は、標準で8人までです。
授業は、子どもの実態に合わせて「特別の教育課程」を組んで学びます(通常の学級と同じ内容を学ぶこともあります)。
2. 対象と、学び方
対象となる障害の種類は、法令などで決まっています。知的障害、肢体不自由、病弱・身体虚弱、弱視、難聴、言語障害、自閉症・情緒障害などです。
学び方は学校や子どもによってちがいます。
- 特別支援学級で、ほとんどの教科を学ぶ
- 国語・算数は特別支援学級、そのほかの教科や行事は通常の学級で一緒に学ぶ(通常の学級との「交流及び共同学習」)
- 体育・音楽・給食・休み時間などを、通常の学級の友だちと過ごす
「どのくらい交流するか」は、本人の様子と学校の方針、保護者の希望を話し合って決まります。
3. 通常の学級・通級とのちがい
通常の学級に在籍して一部だけ別の場で学ぶのが通級、特別支援学級に在籍して学ぶのが特別支援学級です。さらに、障害の程度が重い場合などには、特別支援学校という選択肢もあります。
どの場で学ぶかは、本人・保護者の意見を最大限尊重し、合意形成を図ったうえで、市区町村の教育委員会が決めます。専門家の意見も踏まえられます。そのしくみや呼び名は自治体によってちがいます。保護者の意見は十分に尊重されることになっていますので、遠慮せずに希望を伝えましょう。
決めたあとも、変更はできます。学年が上がるときに見直す家庭も多くあります。
4. 選ぶときの考え方
- 学校を見学する:学級の雰囲気、先生の関わり方、教室の広さや静けさを見る
- 子どもの様子を中心に考える:「いま困っていること」と「この場で何が変わりそうか」
- 交流の仕方を聞く:通常の学級と過ごす時間は、どう決まるのか
- 将来の進路も聞いておく:中学や高校での選択肢と、そのつながり
- 迷ったら、体験や相談を重ねる:就学相談は何度でも受けてよい
結び
特別支援学級は、「特別な子が行く場所」ではなく、その子に合う速さと広さで学ぶための場所です。
正解はひとつではありません。子どもの様子を見ながら、家庭と学校で一緒に選んでいきましょう。
参考資料
- 文部科学省 特別支援教育 https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/tokubetu/main.htm
- 国立特別支援教育総合研究所 https://www.nise.go.jp/
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書いた人 たぶ先生(いわおひろあき)
東北大学大学院文学研究科で社会学(理論社会学・地域社会学)を学び、博士後期課程まで進む(博士論文は未提出)。早稲田大学卒。発達特性のある子どもたちとのマンツーマン療育・教育に2010年から携わる。仙台で発達障害専門の家庭教師としてスタートし、児童発達支援・放課後等デイサービスの現場、複数施設のマネジメントを経験。いまは発達障害のインタビュー研究を続けながら、オンライン家庭教師・療育相談「いっかく」を開いている。
保育士/中学校・高等学校教員専修免許(社会・公民)/文学修士(専攻は社会学)/社会福祉士/児童発達支援管理責任者/産業カウンセラー
