ガイドラインに書いてあること
自己評価と保護者評価(第6章)
事業所は、支援の質を高めるために自己評価を行います。この自己評価は、従業者(職員)の評価と保護者評価(保護者へのアンケートなど、保護者の側からの評価)を踏まえて、全職員の共通理解のもと、事業所全体として行う必要があります。
- 評価の結果から、さらに強めるべき点(強み)と、課題や改善すべき点(弱み)を、全職員で共通理解して分析します。課題や改善すべきことは、速やかに改善します。
- 自己評価の結果、保護者評価の結果、それらを受けて行った改善の内容は、概ね1年に1回以上、保護者に示すとともに、ホームページや会報などで広く地域に向けて公表しなければならないとされています。保護者への示し方としては、事業所が出している通信に載せる、保護者の目につきやすい場所に掲示する、といった方法が例にあげられています。
職員の知識・技術の向上(第7章)
- 職員の資質向上のための計画を作り、その計画にそった研修を行うか、研修の機会を確保する必要があります。
- 医療的ケア児や重症心身障害児への適切な支援のために、喀痰吸引などの研修を受けること、強度行動障害のあるこどもへの適切な支援のために、強度行動障害支援者養成研修や中核的人材養成研修を受けることも大切とされています。
- 児童発達支援センターによるスーパーバイズ・コンサルテーション(専門的な助言)を受けることで、対応が難しいこどもや家族への個別の支援を含め、支援の質を高めることが望ましいとされています。
権利擁護(第7章)
権利擁護とは、こどもの人権や意思が守られるようにする取り組みのことです。ガイドラインの基本には、こどもを「権利行使の主体」として人権に十分配慮し、一人ひとりの人格や意見を尊重して支援する、という考え方があります。
虐待防止
- 虐待防止委員会を定期的に開き、その結果を職員にしっかり伝えること、職員への研修を定期的に行うこと、これらを実施するための担当者を置くことが必要です。
- 職員による虐待(とくに性的虐待)は、密室化した場所で起こりやすいとされています。送迎の車内を含め、密室になる場所をできるだけ作らず、周りの目が届く環境で支援する必要がある、と書かれています。
- 職員による虐待を見つけたら市町村の窓口に、保護者による虐待を見つけたら市町村、福祉事務所又は児童相談所などに通報する必要があります。
身体拘束
- 身体拘束等の適正化のために、次の4つを行う必要があります。(1)身体拘束等の記録、(2)身体拘束適正化検討委員会の定期的な開催、(3)指針の整備、(4)研修の実施。
- やむを得ず身体拘束を行う場合は、切迫性・非代替性・一時性の3つの要件を全て満たすことが必要です。それぞれは、「命や身体が危険にさらされる緊急の状況であること」「ほかの方法では対応できないこと」「一時的なものであること」という意味合いです(言葉はこの解説での言い換えです)。
- 身体拘束の検討が必要なケースは、代わりの方法がないかなどを慎重に検討したうえで、組織として決定します。
- 個別支援計画(児童発達支援計画/放課後等デイサービス計画)には、身体拘束が必要となる状況と、拘束のしかた・時間などを書きます。書くときは、こどもや保護者に事前に十分に説明して、了解を得たうえで書くことが必要です。
- 身体拘束を行った場合は、記録をつけることが必要です。
その他(放デイ)
放デイのガイドラインには、こどもの権利擁護に関する研修会を行うなど、こどもの人権や意思を尊重した支援のために必要な取り組みを進めることが必要、とも書かれています。
親御さんのよくある質問
Q. 事業所の評価は、親が見ることができますか?
事業所は、自己評価の結果、保護者評価の結果、それらを受けた改善の内容を、おおむね1年に1回以上、保護者に示すこと、ホームページや会報などで公表することが、ガイドライン上で必要とされています。
Q. 保護者評価のアンケートで、事業所に不満を書いたら不利になりませんか?
ガイドラインにそうした不利益についての記述はありません。書かれているのは、保護者評価と従業者評価を踏まえて自己評価をし、強みと弱みを分析し、課題や改善すべき点は速やかに改善する、という流れです。保護者評価は、事業所を良くするための材料として位置づけられています。
Q. 職員の研修は、どのくらいされているのですか?
ガイドラインは、職員の資質向上のための計画を作り、研修を行うか研修の機会を確保することを求めています。回数や内容の具体的な数字は書かれていないので、事業所に聞いてください。
Q. うちの子に身体拘束をされることはありますか?
やむを得ない場合に限られます。3つの要件(切迫性・非代替性・一時性)を全て満たす必要があり、組織で慎重に決定します。個別支援計画に、必要となる状況や拘束のしかた・時間を書くときは、こどもや保護者に事前に十分に説明して、了解を得たうえで書くことが必要です。行った場合は記録も必要です。
Q. 虐待が心配なときはどうしたらいいですか?
職員による虐待に気づいたり疑ったりしたときは、市町村(障害者虐待防止の窓口)に相談・通報できます。事業所の担当者に聞くこともできます。
Q. 送迎の車内などで、子どもが密室にならないか心配です。
ガイドラインは、職員による虐待が密室化した場所で起こりやすいことから、送迎の車内を含め、密室になる場所をできるだけ作らず、周りの目が届く環境で支援する必要がある、としています。送迎の体制を事業所に聞いてみてください。
事業所を見るときのチェックポイント
- 自己評価と保護者評価の結果を、見せてもらえるか確かめる(ホームページや事業所内の掲示など)。評価を受けて何を改善したかも聞く。
- 保護者評価のアンケートが、定期的に行われているか聞く。
- 職員の研修計画があるか、どんな研修を受けているかを聞く。
- 虐待防止委員会や研修、担当者がいるかを聞く。
- 送迎や支援の場面で、密室になりやすい状況をどう避けているかを聞く。
- 身体拘束についての方針や指針があるか、行った場合の記録や保護者への説明をどうしているかを聞く。
- 見学のとき、スタッフがこどもの意見や気持ちを聞く場面があるか、こどもを一人の人として扱っているかを見る。
関係する用語
参考資料
- こども家庭庁「児童発達支援ガイドライン」「放課後等デイサービスガイドライン」(2024年7月改定)と、その概要資料(2024年11月) こども家庭庁 障害児支援施策
