ガイドラインに書いてあること
ガイドラインは、こどもへの支援(本人支援)とは別に、「家族支援」を支援の柱の1つにしています。理由はこう書かれています。親子関係や家庭の暮らしが安定して充実することが、こどもの「育ち」や「暮らし」の安定につながるからです。
家族支援は、「親ががんばれていないから助ける」という話ではありません。ガイドラインは、こどもの支援と同じように、家族のウェルビーイング(心も暮らしも、よい状態であること)が高まることを目指すと書いています。そして、家族自身がもともと持っている力を発揮できるよう支えるエンパワメント(本人の力を引き出す支え方)を前提にする、としています。
家族支援の内容として、ガイドラインがあげているのは次の3つです。
- アタッチメント(愛着。親子の安心できる結びつき)の形成・安定
- 家族(きょうだいを含みます)からの相談に、適切に助言すること
- 障害の特性に配慮した、家庭の環境づくり
児童発達支援のガイドラインは、目標の1つに「きょうだいを含めた家族をトータルに支援していくこと」をあげています。事業所は、家族の意向を受け止めて支援にあたることも求められています。
放課後等デイサービスで強調されていること
放課後等デイサービス(放デイ)のガイドラインには、学齢期ならではの説明があります。
- 学齢期は、行動やメンタルヘルスの課題、不登校など、さまざまな課題が出やすい年代です。学齢期になってから障害の特性がはっきりしてくることも多く、家族がいろいろな葛藤にぶつかる時期だと書かれています。
- 父親やきょうだい、祖父母なども含めた家族全体を支える視点が大切とされています。
- 家族がこどもの特性を理解していくプロセスは、家族ごとに違います。
- 理解の前の段階にある「気づき」への支援も、家族支援の大切な内容です。個別性に配慮して、慎重に行うとされています。
- 虐待の疑い、保護者自身の精神的な状態、経済的な課題、DVなどの家族関係の課題があって、心理カウンセリングなどの専門的な支援が必要な場合は、適切な関係機関につなぐとされています。
放課後等デイサービスのガイドラインでは、つなぎ先として、障害児相談支援事業所、児童発達支援センター、ほかの放デイ、ホームヘルプやショートステイの事業所、発達障害者支援センター、医療的ケア児支援センター、児童相談所、こども家庭センター、専門の医療機関、保健所などがあげられています。
また、特に支援が必要な家庭については、日頃から保護者との関係づくりを丁寧にしておくことで、保護者の孤立を防ぎ、こどもの変化にも気づきやすくなる、と書かれています。
親御さんのよくある質問
Q. 家族支援というのは、親の育て方を直されることですか?
ガイドラインには、そのようには書かれていません。書かれているのは、家族の意向を受け止めること、家族自身の力を発揮できるよう支えること(エンパワメント)です。家族がこどもの特性を理解していく道のりも、家族ごとに違うと明記されています。
Q. 下のきょうだいや祖父母のことも相談していいですか?
相談の対象になり得ます。相談できる内容や方法は事業所に確認しましょう。ガイドラインでは、きょうだいを含めた家族をトータルに支援するとされています。放デイのガイドラインには、父親やきょうだい、祖父母なども含めた家族全体を支える視点が大切とされています。
Q. 子どもの特性を、まだ受け止めきれていません。
放デイのガイドラインには、特性を理解する前の段階の「気づき」への支援も、家族支援の重要な内容だとあります。そのうえで「個別性に配慮して慎重に行う」とされています。理解の早さを比べるものではありません。
Q. 親自身がしんどいときも、相談できますか?
放デイのガイドラインには、保護者自身の精神的な状態や、経済的な課題などがあって専門的な支援が必要な場合は、適切な関係機関につなぐ、と書かれています。専門的な支援が必要なときは、関係機関につなぐ対応が示されています。
Q. 事業所への要望や、困りごとを伝えてもいいですか?
伝えてよいものです。ガイドラインは、事業所の社会的責任として、家族の意向を受け止めること、支援の内容を家族に適切に説明すること、相談や申入れにきちんと対応することをあげています。
事業所を見るときのチェックポイント
- 「親への相談の時間は、どんな形でありますか?」と聞いてみる(送迎時の立ち話だけなのか、面談があるのか)。
- きょうだいのことや、家庭でのかかわり方の相談にも乗ってもらえるか聞いてみる。
- 支援の内容について、親にどんな形で説明しているかを聞く(口頭、書面、連絡帳など)。
- 相談や要望を伝えるときの窓口と、その後の返事のしかたを聞く。
- 家庭だけで難しい相談が出たとき、どんな機関につないでいるか(相談支援事業所、児童相談所、こども家庭センター、医療機関など)を聞く。
- 見学のとき、スタッフが親に対してどんな言葉づかいで話しているかを見る。責められている感じがしないかどうかも大切です。
関係する用語
参考資料
- こども家庭庁「児童発達支援ガイドライン」「放課後等デイサービスガイドライン」(2024年7月改定)と、その概要資料(2024年11月) こども家庭庁 障害児支援施策
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