移行支援:保育所・小学校・放課後の居場所へ、つなぐ支援
ガイドライン解説(親御さん向け)

第3章 提供すべき支援の具体的内容(移行支援) ・ たぶ先生(いわおひろあき) ・ 2026.10.13

ガイドラインに書いてあること

移行支援とは、こどもが次の場所へ進むとき(または別の場所を併せて使うとき)に、その橋渡しをする支援です。ガイドラインは、支援の中に「移行」という視点を入れることを求めています。

考え方は2つに分かれています。

  • 移行先がすでに決まっている場合は、そこへ移るための支援をする。
  • 今は具体的な移行先がない場合でも、こどもが地域で暮らすほかのこどもとつながりながら日常生活を送れるように支援する。

児童発達支援(就学前)での移行支援

  • 保育所、認定こども園、幼稚園などへの移行支援
  • ライフステージ(就学など、暮らしの段階)の切り替えを見すえた、将来の移行への準備
  • 保育所などと併行して通っている場合の、併行先との連携
  • 同じ年ごろのこどもをはじめとした、地域での仲間づくり

こどもの育ちがつながるように、事業所は「保育所保育指針」「幼稚園教育要領」などの内容も理解して支援にあたることが大切、と書かれています。

連携の中身としては、保育所への移行のときの情報共有、移ったあとのフォローアップ、併行利用の場合の支援内容の共有やバックアップ、同じ年ごろの障害のないこどもと活動する機会の確保があげられています。小学校などへの進学のときには、こどもの発達の状況、障害の特性、支援の内容についての情報共有と相互理解が必要、とされています。

放課後等デイサービス(学齢期)での移行支援

  • 放課後児童クラブ(学童)などへの移行支援
  • ライフステージの切り替えを見すえた、将来の移行への準備
  • 放課後児童クラブなどと併行して通っている場合の、併行先との連携
  • 同じ年ごろのこどもをはじめとした、地域での仲間づくり

とくに、入学・進学・就職のときの移行は、こどもを取り巻く環境が大きく変わります。支援の一貫性の面から「より丁寧な支援が求められる」とされています。

放課後等デイサービスのガイドラインでは、移行にあたって情報を共有するときは保護者の同意を得て行うとされています。就学前に使っていた事業所、就職先、別の障害福祉サービスの事業所などと連携するときは、保護者の同意を得たうえで情報を共有します。放課後児童クラブや児童館へ移るときも、保護者の同意を得て、放課後等デイサービス計画なども含めて、こどもの発達の状況や特性、これまでの支援内容を共有し、移ったあとのフォローアップを行うとされています。

親御さんのよくある質問

Q. 保育所や学校に通いながら、療育も使えますか?

ガイドラインは「併行利用」を前提のひとつとして書いています。児童発達支援では保育所などとの併行利用や移行、放デイでは放課後児童クラブなどとの併行利用や移行を、こどもや家族の意向を踏まえて進めるとされています。

Q. 療育をやめて、保育所や学童だけにすることになったら、それまでの支援はどうなりますか?

移行先に、これまでの支援内容や特性を伝えて、移ったあとのフォローアップも行うことが、ガイドラインに書かれています。放デイのガイドラインでは、移行にあたって情報を共有するときは、保護者の同意を得てから行う、とされています。

Q. 小学校に上がる前に、事業所は何をしてくれるのですか?

児童発達支援のガイドラインには、進学のときに、こどもの発達の状況、障害の特性、支援の内容を学校側と共有し、相互に理解し合う連携が必要、と書かれています。何をどの範囲まで伝えるかは、親の意向も大切です。事業所と話し合っておくと安心です。

Q. 今のところ、移る先がありません。何もしてもらえないのですか?

そうではありません。ガイドラインは、具体的な移行先がない場合も、地域で暮らすほかのこどもとつながりながら日常を送れるよう支援することが大切だと書いています。

Q. 高校卒業後や就職の話も、事業所に相談していいですか?

放デイのガイドラインは、ライフステージの切り替えを見すえた将来の移行への準備を支援の内容にあげています。就職や別のサービス事業所を使うときは、保護者の同意を得て、事業所間で情報共有を図ることも書かれています。

事業所を見るときのチェックポイント

  • 「卒業(退所)後や進学後に、どんな引き継ぎをしていますか?」と聞いてみる。
  • 保育所・幼稚園・学校・学童との間で、どんな情報をどんな形で共有するのか、事前に親の同意を取るのかを聞く。
  • 併行して通う場合に、保育所や学校の先生とやり取りする機会があるか聞く。
  • 移ったあとに、様子を聞いたり、相談に乗ってくれるフォローがあるか聞く。
  • 就学や進学の前に、移行についての話し合いが、いつごろから始まるのかを聞く。
  • 活動の中に、地域のこどもと関わる機会があるかを見学で確かめる。

関係する用語

児童発達支援/放課後等デイサービス/個別支援計画

参考資料

  • こども家庭庁「児童発達支援ガイドライン」「放課後等デイサービスガイドライン」(2024年7月改定)と、その概要資料(2024年11月) こども家庭庁 障害児支援施策

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