ガイドラインに書いてあること
まず、定義(どんな場所か)
- 児童発達支援(児発):障害のあるこどもが施設に通い、「日常生活における基本的な動作及び知識技能の習得」と「集団生活への適応」のための支援を受けます。主に就学前のこどもが対象です(年齢だけでは決まらず、利用は市町村が決めます)。
- 放課後等デイサービス(放デイ):学校(幼稚園・大学を除く)に通う障害のあるこどもに加え、一定の専修学校・各種学校に通い市町村が必要と認めたこどもが、授業の終了後や休みの日に通います。「生活能力の向上のために必要な支援」と「社会との交流の促進」などを受けます。主な対象は学齢期のこどもです。
役割はどちらも「4本柱」
- 本人支援:こども一人ひとりの発達のニーズに合わせた発達支援
- 家族支援:こどもの発達の土台になる、家族への支援
- 移行支援:地域の保育・教育などを受けられるように、移り変わりを支えること。児発では保育所などへの移行、放デイでは学校等と連携しながら、小学生は放課後児童クラブ等との併行利用や移行を支えます
- 地域支援・地域連携:こどもや家庭に関わる機関とつながって、包括的に支えること
児発と放デイの「目標」を並べると
ガイドラインは、それぞれ4つの目標を挙げています。2つは共通で、2つはちがいます。
- 共通:「家族への支援を通じたこどもの暮らしや育ちの安定」と「地域で安心して暮らすことができる基盤づくり」
- 児発だけ:「アタッチメントの形成とこどもの育ちの充実」。アタッチメントとは、安心できる大人との間に育つ心のつながり(愛着)のことです。ガイドラインは、乳幼児期は障害の有無にかかわらず、一生にわたる人間形成にとって極めて重要な時期だと述べています。
- 放デイだけ:「生きる力の育成とこどもの育ちの充実」。知識やスキルを身につけるだけでなく、生きる力や自立心を育てる、と書かれています。放デイは、学校や家庭とは異なる時間・空間・人との出会いがある、安全・安心で自分らしく過ごせる居場所とされています。
- 地域とのつながり:児発は保育所・幼稚園等との併行利用や移行、放デイは学校等や放課後児童クラブ、児童館などと交流・連携します。
支援の方法:「総合的な支援」と「特定の領域に重点を置いた支援」
どちらのガイドラインも、支援の基本は「総合的な支援」です。5領域(健康・生活/運動・感覚/認知・行動/言語・コミュニケーション/人間関係・社会性)の視点をもれなく入れて、生活や遊びの中で、その子に合わせたオーダーメイドの支援をすることです。
これに加えて、理学療法士などの専門職の見立てをもとに、特定の領域に重点を置いた支援を、計画的に、個別または集中的に行うこともあります。放デイでは、1対1だけでなく、配慮された小集団で行う場合も含まれます。
支援を始める前に、5領域の視点などで丁寧に調べることを「アセスメント」と呼びます。こどもの様子や困りごと、得意なことを整理して、必要な支援を見立てる作業のことです。
放デイの「4つの基本活動」
放デイのガイドラインには、複数を組み合わせて行う4つの基本活動が書かれています。
- 日常生活の充実と自立支援のための活動(自立支援=将来の自立した暮らしを見すえて、日常の基本的な動作などを支えること)
- 多様な遊びや体験活動
- 地域交流の活動
- こどもが主体的に参画できる活動
児童発達支援センターの役割
児発には「児童発達支援センター」という施設があります。ガイドラインは、地域の障害児支援の中核的な役割を担う機関と位置づけています。高度な専門性が必要な児発を提供するほか、家族や他の事業所などへの相談や助言も行います。自治体や、福祉・母子保健・医療・子育て支援・教育など、さまざまな分野の機関と連携して、地域の支援体制づくりを進める役割です。
ふつうの児発事業所と比べて、地域全体の「まとめ役」に近い存在、と考えるとわかりやすいかもしれません。
親御さんのよくある質問
Q. 児発と放デイの、いちばん大きなちがいは何ですか?
対象の年齢と、通う時間帯です。児発は主に就学前のこども、放デイは学校に通う学齢期のこどもで、授業の終わった後や休みの日に利用します。目標にも、児発は「アタッチメント(愛着)の形成」、放デイは「生きる力の育成」といった重点のちがいがあります。
Q. 「総合的な支援」と「特定の領域に重点を置いた支援」は、どう使い分けますか?
基本は総合的な支援で、すべてのこどもに行います。そのうえで、その子の発達段階や特性に応じて、運動・言語など特定の領域を重点的に伸ばす支援を組み合わせる、という形です。
Q. 児童発達支援センターと、ふつうの児発事業所は、何がちがうのですか?
ガイドラインでは、センターは地域の障害児支援の中核を担う機関とされています。自分の施設で支援するだけでなく、他の事業所への助言や、地域の関係機関との連携も役割に入っています。
Q. 児発と放デイを、続けて使うことはありますか?
あります。児発から放デイへ移るときは、発達の様子や支援内容の情報を引き継ぐことが大切とされています。実際の利用は市町村に確認してください。
Q. 家族の相談にも乗ってもらえますか?
家族支援は、役割の4本柱の1つです。きょうだいを含む家族からの相談に、適切に助言することが、ガイドラインの支援内容として挙がっています。
事業所を見るときのチェックポイント
- 「児発」「放デイ」のどちらの事業所か、対象の年齢と利用できる時間帯を確認しましょう。
- 支援が、遊びや生活の中でどのように行われているか、実際の様子を見せてもらいましょう(総合的な支援)。
- 理学療法士などの専門職が関わる支援があるか、あるなら、どんな形(個別・小集団)で行うかを聞いてみましょう。
- 保育園・幼稚園・学校・学童と、どのように連携するか聞いてみましょう(移行支援)。
- 親やきょうだいが相談できる機会はありますか(家族支援)。
- 放デイでは、こどもが自分で選べる遊びや活動があるか、こどもが意見を言える場があるかも見てみましょう。
関係する用語
児童発達支援/放課後等デイサービス/児童発達支援管理責任者(児発管)/個別支援計画/受給者証(通所受給者証)
参考資料
- こども家庭庁「児童発達支援ガイドライン」「放課後等デイサービスガイドライン」(2024年7月改定)と、その概要資料(2024年11月) こども家庭庁 障害児支援施策
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