ガイドラインに書いてあること
5領域は、こどもを見る5つの視点です。ガイドラインは、5領域の視点をもれなく入れた総合的な支援を基本にしつつ、子どもによって比重はちがうとしています。
「言語・コミュニケーション」に挙がっている項目(児童発達支援)
- コミュニケーションの基礎的能力の向上
- 言語の受容と表出
- 言語の形成と活用
- 人との相互作用によるコミュニケーション能力の獲得
- コミュニケーション手段の選択と活用
- 状況に応じたコミュニケーション 等
放課後等デイサービスでは
- コミュニケーションの基礎的能力の向上
- 言語の受容と表出
- コミュニケーション手段の選択と活用
- 状況に応じたコミュニケーション 等
用語を身近な言葉にすると
ここからは、項目名を日常の場面にあてはめた説明です。
- コミュニケーションの基礎的能力:相手に注意を向ける、目や表情で気持ちを伝える、やりとりの「順番」を待つ、といった、言葉の前の土台。
- 言語の受容と表出:「受容」は言葉を聞いて理解すること、「表出」は自分から言葉やしぐさで伝えること。話すのが苦手でも、理解は進んでいる子はいます。両方を別々に見ることが大切です。
- 言語の形成と活用(児発):言葉を身につけ、実際の場面で使えるようにしていくこと。
- 人との相互作用によるコミュニケーション(児発):人とのやりとりを重ねる中で、伝え合う力が育つこと。
- コミュニケーション手段の選択と活用:話し言葉だけが手段ではありません。指さし、絵カード、身ぶり、文字など、その子に合った伝え方を選び、使えるようにすること。
- 状況に応じたコミュニケーション:場面や相手に合わせて、伝え方を変えていくこと。
「話す」だけではない
項目名には、「話す」という言葉は出てきません。「受容」「表出」「手段の選択」といった言葉が並んでいます。伝え方はひとつではない、という考え方がうかがえます。
親御さんのよくある質問
Q. 言葉が遅いのですが、「言語・コミュニケーション」の支援では、話せるように練習しますか?
ガイドラインに書かれているのは、言葉の受容と表出、手段の選択と活用、基礎的な能力の向上など、広い内容です。話し言葉を伸ばす支援だけでなく、伝えたい気持ちを育てたり、別の手段を使えるようにしたりすることも含まれます。
Q. 絵カードや身ぶりを使うと、言葉が出なくなりませんか?
ガイドラインには、「コミュニケーション手段の選択と活用」が挙がっています。その子に合った手段を使えるようにすることは、支援の内容として位置づけられています。どの手段をどう使うかは、その子の様子を見ながら、事業所と相談していくとよいでしょう。
Q. 言われたことは分かっているようなのに、返事をしません。
「言語の受容」と「表出」を別々に見る必要があるケースです。分かっていても、伝え方がまだ育っていないのかもしれません。家での様子を、具体的に職員へ伝えてください。
Q. 学校や園では話すのに、事業所では話さない(または逆)のですが?
ガイドラインの「障害特性に応じた配慮事項」には、場面緘黙(選択性かん黙)も挙がっていて、それぞれの特性や状態に応じて必要な配慮を行うこととされています。場所や相手によって話せる・話せないが変わる様子は、遠慮なく職員に伝えましょう。
事業所を見るときのチェックポイント
- 話し言葉だけでなく、絵・写真・身ぶり・文字など、複数の伝え方を使っていますか。
- こどもが「やりたい」「いやだ」を伝えられる場面(選ぶ機会)が、日々の活動の中にありますか。
- 職員は、こどもの伝えようとする気持ちを受けとめてから、言葉を添えていますか。
- 職員の話し方(長すぎない、具体的)が、その子に合っていますか。
- 言語聴覚士など、言葉の専門職が関わるか、関わるならどんな形かを聞いてみましょう。
- 家での伝え方(サインやしぐさ)を聞き取り、事業所でも共有してくれますか。
関係する用語
自閉スペクトラム症(ASD)/SST(ソーシャルスキルトレーニング)/合理的配慮/児童発達支援
参考資料
- こども家庭庁「児童発達支援ガイドライン」「放課後等デイサービスガイドライン」(2024年7月改定)と、その概要資料(2024年11月) こども家庭庁 障害児支援施策
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