ガイドラインに書いてあること
5領域は、こどもを見る5つの視点です。ガイドラインは、5領域の視点をもれなく入れた総合的な支援を基本にしつつ、子どもによって比重はちがうとしています。
「認知・行動」に挙がっている項目(児童発達支援)
- 認知の特性についての理解と対応
- 対象や外部環境の適切な認知と適切な行動の習得
- (感覚の活用や認知機能の発達、知覚から行動への認知過程の発達、認知や行動の手掛かりとなる概念の形成)
- 行動障害への予防及び対応
放課後等デイサービスでは
基本の項目は同じで、「認知の特性についての理解と対応」「対象や外部環境の適切な認知と適切な行動の習得」「行動障害への予防及び対応等」が挙がっています。
用語を身近な言葉にすると
「認知」とは、見たり聞いたりしたことを、頭の中で受けとって、理解し、判断するはたらきです。ここからは項目を日常の場面にあてはめた説明です。
- 認知の特性についての理解と対応:その子の「ものの受けとり方のくせ」を知って、合わせて関わること。たとえば、耳で聞くより目で見たほうがわかりやすい子、一度にたくさん言われると混乱する子がいます。
- 対象や外部環境の適切な認知と適切な行動の習得:周りの状況をつかみ、それに合った行動を身につけること。かっこ書きには、感覚の活用、認知機能の発達、「見る・聞く」から「動く」までの流れの発達、ものごとを考える手がかりになる概念(大きい・小さい、数、順番など)の形成が挙げられています。
- 行動障害への予防及び対応:自分や周りを傷つけるなど、生活に大きな影響が出るような行動の予防と対応のことです。そうした行動が強くなりすぎないよう、早めに環境や関わり方を整え、起きてしまったときには適切に対応します。
行動の見方
理念の章には、「こどもの特性に合わない環境や不適切な働きかけにより二次障害が生じる場合がある」とあります。行動を「困った行動」と決めつけるのではなく、環境や関わり方が合っていないサインとして受けとめる、という考え方が土台にあります。
また、強度行動障害のあるこどもを支える職員のために、専門の研修の受講が重要だと、提供体制の章に書かれています。
親御さんのよくある質問
Q. 「認知」って、勉強のことですか?
勉強だけを指す言葉ではありません。見たり聞いたりしたことを受けとめ、理解し、行動につなげるまでの、頭のはたらき全体のことです。ガイドラインでは、感覚の活用、知覚から行動への認知過程の発達、概念の形成が挙げられています。
Q. 癇癪(かんしゃく)や、こだわりの強さも、この領域ですか?
行動に関わる悩みは、この領域の「行動障害への予防及び対応」と関わりがあります。ただ、行動の背景には、感覚・言葉・人間関係などが重なっていることも多いです。5領域をまたいで見てもらうのが基本です。
Q. 行動を「やめさせる」のが、対応ですか?
ガイドラインは、行動の背景を見立て、予防や環境の調整を大切にします。身体拘束は、決められた条件を満たす場合に限られます。「予防」という言葉があるとおり、困った行動が起きる前の環境や関わり方の工夫が大切にされています。やむを得ず身体拘束をする場合は、ごく限られた条件を満たすことが必要で、事前に保護者へ説明して了解を得ることなどが決められています(提供体制の章)。
Q. 理解のしかたがほかの子と違うと言われました。どうすれば?
「認知の特性についての理解と対応」にあたる内容です。事業所では、その子がどう受けとっているかを一緒に探してもらい、伝え方(絵、文字、短い言葉など)を一緒に決めていくとよいでしょう。
事業所を見るときのチェックポイント
- 指示や説明が、こどもに伝わる形になっていますか(短い言葉、絵、実物、見通しを示すスケジュールなど)。
- 行動が起きたとき、職員はまず理由(きっかけ・環境・気持ち)を考えようとしていますか。
- 困った行動が出やすい場面の予防の工夫について、具体的に聞いてみましょう。
- 叱る・止めることが中心ではなく、望ましい行動をほめて伸ばす関わりになっていますか。
- 職員の研修(行動面の支援を学ぶ機会)があるか聞いてみましょう。
- 身体拘束や虐待防止の取り組み(委員会、指針、研修)について、説明してもらえますか。
関係する用語
自閉スペクトラム症(ASD)/ADHD(注意欠如・多動症)/実行機能/SST(ソーシャルスキルトレーニング)/合理的配慮
参考資料
- こども家庭庁「児童発達支援ガイドライン」「放課後等デイサービスガイドライン」(2024年7月改定)と、その概要資料(2024年11月) こども家庭庁 障害児支援施策
← 5領域「運動・感覚」 体の動きと、感じ方 | ガイドライン解説の一覧 | 5領域「言語・コミュニケーション」 伝える力と受けとる力 →
